あしのうら

そこの土をほりかえしてると
生き物がでてきた
みためがあまりよくないというので
母がやさしくブラッシングをする
それでもあんまりなので
土曜日に紳士服売り場へかいものにいくそうだ


今週はあめがつづいているから
そいつはずっと毛をなめている
脇からふとももから
ぎゅっと首をまげて
背中もなめる


意味が不明なものほど
みんな知りたがる
だからどうにかわたしが、と
そいつがこっちを見ながらしゃべる


気味がわるいのに
どうにもきになって
目が離せない


ね、あした遠出をするなら
替えのくつしたを。
ちゃいろいものであれば
なおさら良い。


はじめは独り言だったのだが
しゃべりだすたんびに
わたしが耳を傾ける
(というよりは凝視する)
のがおもしろいらしく
最近はしゃべりかけてくるようになった


さぁ、みんなが帰ってくるまえに
ちょっとそこで何か歌いなさい